HOME > GaN FET搭載 ACアダプターとは
GaNとは?
「窒化ガリウム」とは、文字どおり「窒素(N)」と「ガリウム(Ga)」を組み合わせた化合物です。
化学式は「GaN 」。「 Gallium nitride ガリウムナイトライド」とも呼ばれます。
電力システムの効率、性能、電力密度の向上へのニーズの高まりに対応できる特徴のある素材なことから、
シリコンに代わる次世代パワースイッチング技術の要として広まりつつあります。
FETとは?
FET(電界効果トランジスタ)はトランジスタの構造の一つで、ゲート電極から生じる電界によって電流の流れを制御する方式のことです。
小型化が容易なため、集積回路(IC)の論理回路やセンサーの素子などに用いられることが多くあります。ACアダプターなどのスイッチング電源において、FETは負荷に応じて電流をON、OFF制御するスイッチとして非常に重要な役割を果たしています。
高速にスイッチ動作を繰り返すため、FETの損失性能が電源全体のエネルギーロス(効率)に直結します。
GaN FETにするメリット
コンパクト&軽量化!
通常のアダプターの場合、容量が大きくなれば本体のサイズも比例し大きくなりますが、GaN FETは違います。基板上の受動部品数を減らし小型化につなげることができるため、GaNを採用したほうがコンパクト化しやすいのです。
なんと、従来の製品に比べると60%サイズダウン!
重量は290gの軽量化!持ち運びも便利になります。
効率が良く低発熱
GaN材料はバンドギャップが広いため、シリコンに比べて高い熱伝導率を持ちます。この特性は、GaNを使ったデバイスのより高温下での動作とより効率的な冷却を可能にし、ACアダプターを低温に保ち、熱によるダメージから守ることができます。
またスイッチングスピードが速く、オン抵抗が低い、発熱が少ないという特徴もあります。
GaNFETとMOSFETの性能比較
項目 | GaN FET | MOSFET | 優位性 |
---|---|---|---|
スイッチング損失 | 少ない | 多い | 一段と効率向上 |
ゲート総電荷量(Qg) 逆回復電荷量(Qrr) |
低キャパシタンス | 高キャパシタンス | スイッチング損失の削減 |
ドレイン・ソース間 オン抵抗 |
低い | 高い | パワー消耗減少 |
動作周波数 | 200K~500KHz | 65K~100KHz | 高周波化 |
トランス・2次側平滑 コンデンササイズ |
小さい(少ない) | 大きい(多い) | サイズ縮小 |
FETパッケージ | SMD可 | DIP−TO-220/TO−3P (ヒートシンク付き) |
サイズ縮小 |
電源重量 | 軽い (従来品より約35%減少) |
重い | 可搬性向上 |
電源寸法 | コンパクト −2.5倍程度縮め |
大きい | 可搬性向上 |
パワー密度 | 高い(12.5W/inch3) | 低い(5W/inch3) | 電源形状小型化 |
効率 | MOSFETより2%程度高い | 低い | 高効率化 |
可搬性 | 携帯しやすい 一段と梱包縮小可能 |
携帯しにくい 普段の梱包方式 |
可搬性向上 |
GaN FETとMOSFETの200Wアダプタでの仕様比較
項目 | GaN FETアダプタ | MOSFETアダプタ |
---|---|---|
ADTシリーズ名 | ATS200TS | ATS200T |
出力容量 | 200W | 200W |
電源寸法 | L150 x W54 x H33 mm | L183 x W81 x H42 mm |
電源重量 | 560g | 850g |
電力容量密度 | 12.5W/inch3 | 5.3W/inch3 |
電源効率(標準品) | 94% | 92% |